| 2000年11月、「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」による中間まとめは、小・中学校の通常学級に在籍する学習障害児やADHD児などの児童生徒を特殊教育に含める必要性を報告した。2001年2月には、国立精神・神経センター児童思春期精神保健部長(当時)の上林靖子氏を主任研究員とする厚生労働省研究班によって、ADHDの診断基準として、親と教師向けの「子どもの行動チェックリスト」から算出した点数を用いることが決定された。
このチェックリストの内容には、「独特な目つきをする」、「ませている」など、客観的判断が困難な項目のほか、「特定のものに執着がある」または「気が散りやすい」などと多くの人に当てはまるような項目が多数含まれた。
2003年に東京都教育委員会が都内の公立小中学校を対象に行った学習障害調査では、複数の学校が人権侵害の恐れがあるという理由から実施を保留していた。
このチェックリストについて文部科学省は「米国などで利用されているものを参考に日本の専門家が作成した」と説明している。 この参考にされたという「米国で利用されているもの」であるが、これは米国精神医学会(APA)のDSM(診断統計手引)に基づいている。DSMは、診断して保険請求コードに割り当てるための、精神医学の「目録バイブル」であり、これに含まれる精神医学的障害は一群の学会のメンバーによる投票制度で決定される。こうした障害を定義する客観的手段なしに、単に多数決によって、新しい「障害」が生まれるのである。
このDSMについて岩手大学名誉教授の大沢博氏は次のように指摘する。「これらの精神医学的障害に共通しているのは、それを定義したり診断したりするための客観的な方法がないことである。」
にもかかわらず、こうしたチェックリストをもとに全国調査が行われ、2002年10月に出された「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の中間まとめでは、学習障害、ADHDなどにより学習や生活に特別な支援を必要とする児童生徒が通常学級に6%程度在籍すると報告された。20人の児童につきひとり以上が、こうした「脳障害」を抱えているというのである。
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