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■ スクールカウンセラー活用事業

1995年4月、文部省によってスクールカウンセラー活用調査研究委託事業が始められた。この事業の概要は、「児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識・経験を有する非常勤特別職であるスクールカウンセラーを学校を所轄する市町村教育委員会へ派遣し、不登校・いじめなどの未然防止や早期発見をして問題の解決に資する」というものである。 この「高度に専門的な知識・経験を有する」スクールカウンセラーの導入によって、どういった結果がもたらされたであろうか。以下のグラフを見るとわかるように、1995年にスクールカウンセラー事業が始められて以来、スクールカウンセラーを配置した学校の数、また事業予算の増加とほぼ比例するかたちで、不登校児童の数は急激に増加している。いじめ問題も以前にもまして大きな社会問題となっている。事業予算がますます増え続ける中、「問題の解決に資する」という目的は果たされていないどころか、状況はますます悪化している。


スクールカウンセラー
配置校数
不登校児童生徒数
(30日以上欠席)
文部科学省スクール
カウンセラー活用事業予算

産経新聞の社会部は2001年2月23日付の『心の専門家という神話』と題された記事の中で、スクールカウンセラーについて次のように指摘している。「不登校など子どもの心の問題を解決するため、スクールカウンセラーの導入も検討されているが、カウンセラー導入が日本より進んでいる米国でも大した成果はあがっていない。導入しなければ状況はもっと悪化していたとの主張だが、その証明は困難だろう。」

上記のような事実にかかわらず、精神科医による教育への介入の範囲は狭まるどころか、さらに拡大しつづけている。1999年7月には上述の「学習障害及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒の指導方法に関する調査研究協力者会議」が報告をまとめ、その中で学習障害の定義が見直され、学習障害に対する指導方法、指導の形態の場についての提言がなされた。

通級 特別支援教育法以前には、知的障害児、身体障害児らが、特殊学級から通常学級に通うことを通級と呼んだ。

特別支援教育法によって、以前の障害児学級、特殊学級が、特別支援教室という名前に変わり、特殊教育諸学校も特別支援学校と名前が変わった。

それに伴い、学校での扱いも今までとは異なり、これからは通常学級から特別支援教室に通う通級方法となる。今まで対象とされてきた、知的障害児、身体障害児以外に加え、学習上支援を必要とする児童生徒(発達障害等)も特別支援教育の対象となる。
■ 子どもの行動チェックリスト
2000年11月、「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」による中間まとめは、小・中学校の通常学級に在籍する学習障害児やADHD児などの児童生徒を特殊教育に含める必要性を報告した。2001年2月には、国立精神・神経センター児童思春期精神保健部長(当時)の上林靖子氏を主任研究員とする厚生労働省研究班によって、ADHDの診断基準として、親と教師向けの「子どもの行動チェックリスト」から算出した点数を用いることが決定された。

このチェックリストの内容には、「独特な目つきをする」、「ませている」など、客観的判断が困難な項目のほか、「特定のものに執着がある」または「気が散りやすい」などと多くの人に当てはまるような項目が多数含まれた。

2003年に東京都教育委員会が都内の公立小中学校を対象に行った学習障害調査では、複数の学校が人権侵害の恐れがあるという理由から実施を保留していた。

このチェックリストについて文部科学省は「米国などで利用されているものを参考に日本の専門家が作成した」と説明している。 この参考にされたという「米国で利用されているもの」であるが、これは米国精神医学会(APA)のDSM(診断統計手引)に基づいている。DSMは、診断して保険請求コードに割り当てるための、精神医学の「目録バイブル」であり、これに含まれる精神医学的障害は一群の学会のメンバーによる投票制度で決定される。こうした障害を定義する客観的手段なしに、単に多数決によって、新しい「障害」が生まれるのである。

このDSMについて岩手大学名誉教授の大沢博氏は次のように指摘する。「これらの精神医学的障害に共通しているのは、それを定義したり診断したりするための客観的な方法がないことである。」

にもかかわらず、こうしたチェックリストをもとに全国調査が行われ、2002年10月に出された「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の中間まとめでは、学習障害、ADHDなどにより学習や生活に特別な支援を必要とする児童生徒が通常学級に6%程度在籍すると報告された。20人の児童につきひとり以上が、こうした「脳障害」を抱えているというのである。

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